T・O

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  • 返信先: 官能評価全般 #18596
    T・O
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    質問
    尺度段階が多くない場合(たとえば5段階)の第2,3、4段階に強度用語を付けないことのデメリット(たとえば回答用紙にはめもりだけがかいてあり、第1が「非常にやわらかい」、第5が「非常にかたい」とだけ書かれているケース)は何でしょうか?
    日本人の場合、中間の選択肢を選びたがる傾向にあると思いますので、奇数にして中央に段階を設けることを避けたい一方で、偶数ですと統計処理が難しくなるのでは?とのジレンマがあります。
    5段階では「端っこ」「真ん中」を除くと第2,4段階のみの選択肢となり両極側それぞれ1メモリ分しかなく、中央によってしまいがちではと考え、6段階、7段階を考えていました。
    一方段階数が多いとどこを選んだらよいかわからなくなる(おっしゃるところのランダム性)かと思います。
    使用感としてクリームなどの「コクの有無」「のびの良さ」などで官能試験を行いますが、上記ジレンマを解消する方法はございますでしょうか

    回答
    例えば5段階で,強度用語を第1と第5だけにつける方法で,一般的には問題ないと思います.
    この場合には,第1を1点,第5を5点としてデータ処理をして,平均評価値を計算するということが行われています.
    ただし,これは5段階評価でも10段階評価でもいえることですが,厳密に言うと,このように平均値を求めることが許されるのは,第1と第2,第2と第3などのように隣り合った尺度同士の主観的距離が等しい(つまり,得られた値が尺度水準で間隔尺度を満たしている)場合に限られるという制約があることを念頭においておく必要があります.
    一般には,この等間隔性が満たされているものとして平均値の計算などが行われていますが,はたして本当にこの等間隔性は満たされているのだろうかという疑問を持つ人もいます.
    等間隔性が満たされていない場合には,得られた値を間隔尺度のデータではなく,順序尺度のデータとして処理し,例えば,平均値ではなく中央値を求める方が正しいということになります.

    • この返信は2年、 8ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: 荒川先生統計シリーズの補足 #18414
    T・O
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    統計①の演習3について

    「喫煙習慣があり群は食塩摂取量が多いために最高血圧が高い傾向がありそうだ」
    という見方は確かにありますし,現状のデータでもそのように把握できると思われます.
    ですので,このことを考えると,ひょっとすると,喫煙者は塩辛い味を好む傾向にあり,
    そのために食塩摂取量が多くなる,ということは言えるかも知れません.
    ただ,相関については,このこととはまた別とご理解下さい.
    相関は,1つの変数の増減が,もう1つの変数の増減とどのように関係しているか,という度合いを示すものです.
    全体の平均など特定の値を比較して,その大小でもって見るというのではなく,全体をぼんやりと見た上で,評価をするという感覚になります.
    そのため,今回の内容については,
    喫煙なし群の,「個々」の食塩摂取量と最高血圧の関係と,
    喫煙あり群の,「個々」の食塩摂取量と最高血圧の関係を比較
    した上で,総じて見れば,結果的に,喫煙あり群については,
    それぞれ関係がある,ということが言えた,ということになります.
    ただ,なぜ,喫煙なし群は,相関が見られないのか?ということについては,
    その理由は,ここだけでは,確たる理由が言えません.
    もしこのことを把握するのであれば,他のデータが必要になると思われます.

    • この返信は2年、 8ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: tdp2020121601応力腐食割れ #16470
    T・O
    キーマスター

    【質問】
    P80にありますステンレス材料のうち、フェライト系ステンレスより、オーステナイト系ステンレスが応力腐食割れしやすい理由はどのようなことでしょうか。
    また、文献ではNi含有量が10%程度で最も応力腐食割れを起こしやすいというものも見られ、その理由も分かれば、教えていただきたいです。

    【回答】
    ①ステンレス鋼の塩化物水溶液中の応力腐食割れは、p.62の左図と考えられます。
    すなわち、き裂先端でアノード反応が進行しつつ、かつ、き裂側面のアノード反応が不動態皮膜で抑制されています。
    フェライト系ステンレスが、同等Cr量のオーステナイト系ステンレスに比べて、応力腐食割れし難い理由は、
    「き裂側面が不動態皮膜で保護され難いため、割れではなく孔食の形態になる」
    と考えられます。
    これには、き裂内(孔食内)でステンレス鋼成分が溶解した溶液組成、
    と、き裂内(孔食内)表面の電位分布、の2つの因子が影響すると考えられます。
    p.94にあるように、フェライト系ステンレスといえども、NiやCuを含むと応力腐食割れが発生し易くなります。

    ②Ni含有量が10%程度で最も応力腐食割れを起こしやすい理由としても、
    上記の2つの因子の影響と考えられます。
    さらに、Ni含有量が10%程度のオーステナイト系ステンレス鋼は、
    オーステナイト相が不安定なので、き裂進展に伴う塑性変形によって、
    オーステナイト相がマルテンサイト相に変態して、き裂が進展し易くなる、との説もあります。
    これには、マルテンサイト相の水素脆性が関与するとの考え方もあります。

    返信先: 廣田浩一氏講座の質問と回答 #14954
    T・O
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    【質問】
    【請求項1】カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤。
    【請求項2】カリン種子抽出物が、カリン種子エタノール抽出物である・・・。
    に対する新規出願アイデアとして、
    【請求項●】カリン種子超臨界流体抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤。
    を挙げておられましたが、この請求項は上記請求項1に抵触するのではないでしょうか?
    請求項1では単に「カリン抽出物」を規定しているだけで、超臨界であれアセトンであれ抽出の手法を問わず、「カリン抽出物」を抗ウイルス剤として使用するのは問題があるような気がするのですが?
    (請求項2のように、請求項1でエタノール抽出と規定しているのであれば問題ないと思います。)
    基礎的な質問で申し訳ありませんがよろしくお願い申し上げます。

    【回答】
     とてもよいご質問です。
     カリン種子超臨界流体抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤の後願発明は、
     カリン種子抽出物を有効成分とする抗ウイルス剤の特許(先願)発明に対しては、
     「超臨界流体」での抽出を選択したので、選択発明として新規性を有し、超臨界流体抽出によるメリットがあれば進歩性も有するので、特許され得ます。
     しかし、特許後は、先願特許発明に対し、利用関係がありますので、後願発明を実施すると先願特許権の侵害となり、先願特許権者からライセンスを受けることが必要になります。
     先願特許権者は、超臨界流体抽出物は後願権利者に特許を取られてしまったので、後願権利者からライセンスを受けないと実施することができません。
     そこで、カリン種子の超臨界流体抽出物が高性能なものであれば、後願権利者と先願権利者との間で互いの特許を無償で利用できるようにするクロスライセンスを締結することができます。この場合は、お互いは自由に特許発明を実施できますが、第三者が実施した場合には侵害を主張できるようになります。

    返信先: 廣田浩一氏講座の質問と回答 #14953
    T・O
    キーマスター

    【質問】
    「大豆ルネサンス」や「USS製法」を商標登録されているのは確かに企業としてはあまり類を見ない試みであると思いました。他人に流用されないようにという効果は理解できるのですが、その他に企業戦略を商標化することの具体的なメリット(効果)としてどのようなものがあるでしょうか? 漠然とした方がいいとは感じるのですが、具体的に思い浮かびづらく、質問させていただきました。

    【回答】
     これらの用語が消費者にもイメージが定着した場合(周知化した場合)、これらの用語を他社がビジネスの場面で使用して希釈化されないようにする意図はあると考えます。あとは、ビジネスで使用する用語一つ一つも知財で権利を有していることの社内外へのアピール(社内での知財意識向上、社外への知財を意識した企業であることの宣言など)もあるかと思われます。

    • この返信は3年、 1ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: 廣田浩一氏講座の質問と回答 #14952
    T・O
    キーマスター

    【質問】
    最近の特許法改正で、査証制度ができましたが、実際に食品業界でこの権利を行使するのは
    ハードルが高いのではないかと思います。一体いくらくらいの損害賠償を見込む場合に
    査証制度を使うのにペイするでしょうか?知財業界内でざっくり考えられる規模感があれば
    ご教示いただければ幸いです。(個人的なご意見でも結構です。)
    (数百万ではペイしないような印象をもちます。最低でも賠償額が数千万円単位でしょうか?)
    また、査証制度を実際に使って証拠が出なかった場合は、踏み込んだ相手方に損害賠償を
    求められる可能性はありますでしょうか?(工場の操業を止める期間の休業補償など)

    【回答】
     大変難しいご質問です。
     査証制度は昨年10月1日から施行されたばかりであり、まだ適用された事件の判決はございません。
     よって、事案の蓄積がないと具体的なことは申し上げられないというのが正直なところであります(申し訳ございません)。
     査証の申立が不適切であって被告に不利益が生じ得ると判断されれば、査証が行われなくなるだけですし、査証が行われるとしたらそれは必要な証拠調べとして行われるだけであり、また、査証の結果、営業秘密に関する事項については、訴訟記録として公開されないように、被告側は黒塗り表示の申立も可能ですので、査証手続の結果、そのこと自体を理由に相手から損害賠償請求を受けることはないと考えられます。
     食品分野の場合、セミナーでもお話をしましたが、特許権者が権利行使をしますと、相手方が無効主張を行ってきます。特許発明がパラメータ発明の場合には、無効化されるリスクが高くなります。その意味で、他分野よりも無効化がされ易い食品分野では、査証制度の活用の前に、権利行使後の相手方の無効主張に耐え得るかなども検討しなえればなりません。

    • この返信は3年、 3ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: 廣田浩一氏講座の質問と回答 #14951
    T・O
    キーマスター

    【質問】
    カリン由来抗ウィルス剤の事例について、
    果実には種子が含まれるのではないかと思う(果実=果肉+種子)のですが、
    果実抽出物の特許権者(A)が、種子を含む果実から得た抽出物をさらに精製して
    種子抽出物と同等の抗ウィルス剤を得た場合は、Aは種子抽出物の特許権者(B)に対して
    特許侵害していることになるでしょうか?

    【回答】
    ハイレベルなご質問です。
    特許権者Aが精製して得た抽出物が「種子抽出物」と区別できないものである場合には、特許権者Aの当該抽出物は特許権者Bの特許権の侵害に該当し得ます。
    特許権者Bの当該特許発明は、「かりん種子抽出物」という物の「抗ウイルス剤」という用途に係る発明であり、「かりん種子抽出物」については製法等につき何ら限定されていないからです。

    • この返信は3年、 3ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: 廣田浩一氏講座の質問と回答 #14950
    T・O
    キーマスター

    tdo2020070901について
    【質問】
    セミナー資料P.43~45に関して、「マキサカルシトール」事件が例に挙げられているかと思います。
    私の学習では、マキサカルシトール事件は請求項に記載されていない要件(トランス体)について
    請求項に記載要件(シス体)と均等である為、特許侵害が認められた事件であると存じております。
    しかし、資料では、請求項に記載されていない要件(LED通知)は均等侵害にはならないということですが、こちらは、均等論第5要件に基づいた例示であり、「マキサカルシトール事件」全般を例示にとっている訳ではないという解釈で間違いないでしょうか。

    【回答】
    大変ハイレベルなお問合せをいただきまして誠にありがとうございました。
    テキスト資料p43の「マキサカルシートル」事件の最高裁判決では、均等論成立のための第5要件について、明細書にはAを記載(開示)しておきながら、請求項にはAを記載しなかった(含めなかった)場合は、権利範囲から除外したと客観的、外形的に理解できるので、権利化後にAにつき均等論侵害が成立する旨の主張は認容されないとされました。
    本事件では、ご指摘・ご理解のとおり、
    「シス体」のみが明細書及び請求項に記載され、「トランス体」は明細書及び請求項に記載されておりませんでしたので、
    「トランス体」については、権利範囲から除外したとは客観的、外形的に理解できないとして、均等論侵害が成立しました。
    もし仮に本事件において、「シス体」と「トランス体」とを共に明細書に記載しておきながら、「シス体」のみを請求項に記載して権利請求をしていた場合には、テキスト資料p43の「LED表示通知」と同様に、「トランス体」については、権利範囲から除外したと客観的、外形的に理解できることになりますので、権利化後に均等論侵害が成立する旨の主張は認容されないことになります。

    返信先: 廣田浩一氏講座の質問と回答 #14949
    T・O
    キーマスター

    【質問】
    パラメーター発明での先行技術文献の選択のコツがありましたら、教えて頂きたいと考えております。
    パラメーター発明での出願の場合、先行技術文献には、進歩性を指摘される文献を記載し、その文献に対して、パラメーターの効果を明確にして記載する方がよいか。
    それとも、進歩性を指摘されるような文献を記載しない方がよいか。
    どちらがよろしいでしょうか。

    【回答】
    当該先行技術文献が当該パラメータ発明の出願の審査においてどの程度引用される蓋然性が高いかによると考えます。
    引用される蓋然性が高い場合には、先行技術文献として明細書中に記載し、当該パラメータに基づく進歩性を当該明細書中に明確化した方がよいと考えますが、
    それ以外の場合は、明細書中に先行技術文献として記載しなくてもよいかと思われます。
    ただし、拒絶理由が通知された際に進歩性を主張できるように、当該先行技術文献に対して準備はしておいた方がよいと考えます。

    返信先: 食用油脂の基礎と劣化防止技術 #14662
    T・O
    キーマスター

    【質問】 
    講義ありがとうございました。各種油の風味を構成する要因についてお聞きしたいです。講義の中で、風味がある米油と、あっさりだが酸化安定性の高いパーム油を併用していたり、テキスト中に大豆油には甘みがあるうま味があるとの記述がありました。これらのおいしさを形成するものは、脂肪酸組成以外のものと考えられますでしょうか?もしそうであれば、実際、油脂分以外の成分の味への影響等を考察した報告等あればご教示いただけると幸いです。

    【講師回答】
    ご質問をありがとうございます。
    おいしさを形成するものは、脂肪酸組成以外のものと考えられますでしょうか?とのご質問ですが、
    答えは主に脂肪酸以外のものと考えられます。すなわち、過酸化物の分解物であるアルデヒド、ケトン、アルコール類が食品の呈味に影響を及ぼすことが知られているところです。
    それが全てが悪い方に行くというわけではなく、おいしさにも寄与することは、述べられましたポテトチップスの例につながると思います。
    油脂分以外の成分の味への影響等を考察した報告等については、各種油脂の酸化分解物で多く生成するアルデヒド「ヘキサナール」がグルタミン酸ナトリウム(MSG)のうま味を増幅するという論文例のURLを添付いたしますので、ご参考にして下さい。

    「油脂と味覚応答」オレオサイエンス 第 19 巻第 3 号(2019)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/19/3/19_103/_pdf/-char/ja

    この研究では、アラキドン酸由来のヘキサナールと論じておりますが、述べましたとおり、ヘキサナールは油脂の加熱臭の成分としてよく認知されています。
    このように、油脂の酸化分解物は異風味となり、好ましい風味にもなり、味にも影響する、食品のおいしさにとって重要な成分であるといえます。

    返信先: 食用油脂の基礎と劣化防止技術 #14606
    T・O
    キーマスター

    質問:「水分活性は0.3~0.4が最も安定であり、それよりも水分活性が高い、もしくは低くても食品中の油脂の酸化は促進される。」
    (食用油脂の基礎と劣化防止p54)これのメカニズムを教えて欲しいです。知見もあれば、ぜひ。

    回答:メカニズムとしましては、過酸化脂質の単分子反応として(Rは脂肪酸)、
    ROOHから金属を触媒として、RO・+・OHからR・のラジカルができる反応と、
    2分子反応として
    2ROOHから金属を触媒として、RO・+ROO・+H2OからR・のラジカルができる反応があります。
    最も安定な水分活性領域では、触媒作用を有する金属触媒の水和によって上記反応が不活性化する、
    過酸化物と水との水素結合により過酸化物が安定する、
    ROOH:左右矢印:(水)HHO・・・H-OOR
    この効果によって安定している水分活性領域と言われております。
    水分活性0.3以下では、逆に、上記の効果がなく、酸化が促進されます。
    高水分の酸化促進については、
    高水分により遊離水が増し、この遊離水による金属触媒の溶解と共に、溶解した金属の移動性が増大して、
    その触媒作用により油脂の酸化が促進されると言われております。
    ただし、大切なことですが、
    含有する様々な食品成分の影響により、食品それぞれにおいて固有の安定水分活性帯を有していると考えるのが
    適切でございます。単純な系などでは、上記のような安定水分活性帯の挙動を示すものの、それぞれの食品に含有
    する抗酸化成分や、逆に金属などの酸化を促進する成分、加熱条件、保管条件などの影響により、安定する水分活性
    が違うということをご理解いただければ幸いです。
    ご参考までに、関連文献のURLを添付いたしますので、補足資料としてご利用下さい。
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos1956/25/5/25_5_249/_pdf/-char/en

    T・O
    キーマスター

    質問
    ①カゼインミセルにおいて、低温ではなぜ疎水的相互作用が働かないのでしょうか。またこちらの現象はカゼインミセルに限った話なのでしょうか。
    ②カゼインミセルにおいて、CMPの親水性がカゼインミセルの水溶性にポジティブに影響していることを知りました。しかし、CMPはk-カゼインがレンネットによって切断されることにより生じるペプチドだと思います。どうして乳中に大量にCMPが存在しているのでしょうか。
    ③ホエイの焦げ付きやすさは主にホエイのどういった成分の特徴によるのでしょうか。ホエイには乳糖が多く含まれていると思いますが、乳糖とホエイタンパクのメイラード反応が影響しているのでしょうか。

    回答
    ① 何故低温では疎水性相互作用が働かないかについては「牛乳・乳製品の知識」のp38-40に記載の通り熱力学によって説明されます。ギブスの自由エネルギーG、エンタルピーH、エントロピーS、絶対温度Tは、式(1-7)の関係があります。疎水性相互作用ではエンタルピー変化△H、エントロピー変化△Sはともに正です。
    ギブスの自由エネルギー変化△Gがマイナスとなる場合に化学反応は進行します。逆に△Gがプラスの場合、自然には反応が進行しません。
    なので、疎水性相互作用が自然に進行するのは△G<0の時で、そのためにはT>△H/△Sでなければなりません。T<△H/△Sでは疎水性相互作用は進行しないのです。実際にはたんぱく質の種類や状態により△Hや△Sは異なりますが、カゼインミセルのみならず他の物質でも同じです。具体的に何度以下なら働かないとは言い切れませんが、一般的には5℃以下では働きにくくなると考えられます。 ② CMPはκ-カゼインにレンネットが働いて乳中に遊離してきます。なので、CMPの量はκ-カゼインの量、カゼインミセルの状態(例、乳の殺菌温度、乳質、などなど)、動物の種類などによって変わります。κ-カゼインの量はカゼインミセルの粒径が大きくなりすぎて水に分散できなくなることを防ぐ程度に含まれているわけですが、詳しいことは分かっていません。乳の謎、神秘の一つです。 ③ ホエイの焦げ付きはホエイたんぱく質―乳糖のメイラード反応により高分子化するため、さらにホエイたんぱく質が加熱変性して凝固するためと考えられています。ホエイ粉製造では問題になることはご承知のとおりです。噴霧乾燥の条件を調整して焦げ付きを減らすのですが、その条件についてはノウハウがおありだと思います。

    • この返信は3年、 4ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: 食用油脂の基礎と劣化防止技術 #14406
    T・O
    キーマスター

    質問:米油の劣化特性は他の油に対していかがでしょうか?天板油として使用していますが、高温のオーブン室に長期間保存している状況です。

    回答:30~40℃における酸化について、参考になると思われる論文があります。
    この論文のp79、特にp80の図a)~e)( e)が米油)はヘッドスペース脱酸素系と、空気暴露系の常温保存試験の結果となります。
    常温ですから約20℃とすると、油脂は10℃上がると反応速度が2倍になりますので、30℃ですと常温POV×2、40℃ですと常温POV×4で推測することができます。
    他の油種との比較では、特に安定が良いというわけではないとの印象ですが、大豆油やコーン油と同程度より少し安定という感じかもしれません。
    確かに油脂に対する抗酸化能が認められるとされるγ-オリザノールやトコトリエノールを含有している油種ですが、油の採油方法や精製方法にもそれぞれ違いがあるため、全ての米油に当てはめるのは難しいと思います。
    故に、米油の性状や含有成分とその含量(品質)、保存方法例えば、空気との接触面積や温度など、酸化に関する多くファクターの影響をうけますので、その点を加味しないといけません。
    最近ではスーパーでの米油の取扱が増え、色々な製品が棚に並んでおります。よく見てみると、製品毎に色の濃さ違うのですが(機会があったら観察してみてください)、やはり、原料(糠)の品質や精製方法がそれぞれ違いますので、そのような品質差が出ています。
    他方で、米油はジグリセライドが多い油種です。何が言いたいかとおもしますとジグリセライドはトリグリセライドより不安定で、遊離脂肪酸となり易いところがあります。そのため、酸価(AV)の上昇には少し注意が必要と思います。

    • この返信は3年、 4ヶ月前にT・Oが編集しました。
    返信先: 凍結乾燥のメカニズム #14248
    T・O
    キーマスター

    質問:・二次乾燥時にバイパス乾燥をすることで、一次乾燥中の乾燥設備側の水分を吸ってしまい、二次乾燥に時間がかかることはありませんか?
       ・一次乾燥中の乾燥設備側のコールドトラップ周辺から、真空を引いているため、二次乾燥中の乾燥設備側が陰圧になることはないという認識で問題ありませんか?

    回答:「おっしゃるとおり,装置ナブの圧力は乾燥室からコールドトラップにかけて低くなるように勾配ができているはずですので,基本的には第二の装置から発生する一次乾燥中の水蒸気が,第一の装置の乾燥室に流れ込むことはないと思います。ただ,推測で申しますと,第一の装置のコールドトラップ内の圧力が第二の装置と連動して高くなるような場合,二次乾燥の速度に影響を与える可能性はないとは言い切れないと思います。二次乾燥中は水蒸気の発生量も少ないはずですので,乾燥室とコールドトラップ内の圧力差も小さいはずです。ですので,すでに一次乾燥を終えてトラップ能力が落ちた第一装置のコールドトラップ内に水蒸気が流入した場合,これがしばらく滞留して乾燥室側が陰圧になることもあり得なくないと思います。ただ,この水蒸気もいずれトラップされるはずですので,時間がたてば解消するのではないかと想像します。」

    返信先: データ分析超入門 #14206
    T・O
    キーマスター

    質問
    1)何か検証してデータ取りをする場合、何個検証すれば良いのか
    2)時系列的な変化を検証する場合、どの程度の間隔で検証すべきか
    の2つを悩むことがあります。
    例えば1)で言えば、年間販売数や発注ロットの1/10程度、といった目安はあるのでしょうか? 漠然とした内容で恐縮ですが、教えてください。
    また、EXCEL上で散布図から近似線を作成することが出来ますが、この近似線は単回帰分析、重回帰分析と同じと捉えて宜しいのでしょうか?

    回答
    ・サンプルサイズと時系列分析に関しては、回答をPDFファイルにして添付しました。
    ・散布図の近似曲線は単回帰分析によるものです。
    https://tech-d.jp/column/download/%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%ab%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%82%ba%e3%81%ae%e6%b1%ba%e3%82%81%e6%96%b9/

    • この返信は3年、 4ヶ月前にT・Oが編集しました。
    • この返信は3年、 4ヶ月前にT・Oが編集しました。
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