食品における“ガラス化・ガラス転移”とは何か?
固体食品は大部分が非晶質(結晶の様な秩序構造を持たない状態)であり、温度や水分の変化によってガラス-ラバー転移(ガラス転移)します。ラバー状態の食品は柔らかいのに対し、ガラス状態の食品は硬い性質を示します。ガラス転移によって力学的性質が著しく変化するため、食品においては加工性(切削性、粉砕性、凍結乾燥時のコラプス抑制)、保存性(粉末の凝集・固着抑制、再結晶化、澱粉の老化、タンパク質の活性低下、乳酸菌の生菌数低下)、食感(サクサク・パリパリなどのハード or ぐにゃぐにゃ・もちもちなどのソフト)などに大きく影響します。したがって、食品のガラス転移特性を理解し、それを制御することで、様々な技術戦略が可能になります。しかし、食品分野におけるガラス転移の認識はまだ十分とはいえず、食品のガラス転移温度をどのように決定すれば良いのか、ガラス転移温度を制御するにはどうすればよいのか、そもそもガラス状態・ガラス転移とは何なのかという疑問が多いでしょう。詳細を知りたい方はお問い合わせください。
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1. 食品工学を先導する気鋭の講師が解説
2. 直感的にわかりやすい事例紹介
3. 具体的な評価・制御の手法の習得
食品は大部分が非晶質(ラバー)ですが、温度や水分を変化させることで結晶化(ガラス)した状態に転移します。 このガラス-ラバー転移を理解することによって食品の加工性や保存性、食感・テクスチャーを制御することが可能ですが、このガラス転移現象への理解はまだ広く普及していません。 本講座では『ガラス転移温度をどのように決定すれば良いのか』『ガラス転移温度を制御するにはどうすればよいのか』『そもそもガラス状態・ガラス転移とは何なのか』などの様々な疑問について、実際の食品事例に基づき直感的にわかりやすく解説していきます。
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食品は大部分が非晶質(ラバー)ですが、温度や水分を変化させることで結晶化(ガラス)した状態に転移します。 このガラス-ラバー転移を理解することによって食品の加工性や保存性、食感・テクスチャーを制御することが可能ですが、このガラス転移現象への理解はまだ広く普及していません。 本講座では『ガラス転移温度をどのように決定すれば良いのか』『ガラス転移温度を制御するにはどうすればよいのか』『そもそもガラス状態・ガラス転移とは何なのか』などの様々な疑問について、実際の食品事例に基づき直感的にわかりやすく解説していきます。
課題を解決しよう!
よくあるニーズ
- 食品のサクミ維持を図りたい
- 冷凍とガラス化の関係について知りたい
- フライ油調品(衣に澱粉を多く含むもの)における食感を改善したい
到達目標 GOAL
このセミナーではよくある悩みを解決するためのゴールを設定しています
- 物質の状態変化・ガラス転移の基礎の理解
- ガラス転移温度の決定の知見
- ガラス転移と加工性・保存性の関係の把握
- ガラス転移による食品の品質制御の習得
受講の対象者研究開発新入社員
- 加熱・凍結・乾燥などのガラス転移の関わる食品加工に携わる技術者
- 食品テクスチャー・食感制御の研究開発に携わる技術者
- ガラス状態について基礎から学びたい方
受講者の声
- 非常に参考になった。食感の制御や食品物性の解析に、Tg(ガラス転移点)の考えとTRA法での測定を活用していきたい。
- 様々な食品での測定結果を通じて、ガラス転移をわかりやすく理解できた。
- 素材に関する測定データの整理と活用の方法が実践的だった。活用してみたい。
講師 川井清司 先生 の紹介
広島大学 大学院統合生命科学研究科
川井 清司 教授
東京水産大学大学院水産学研究科食品生産学専攻博士後期課程修了。博士(水産学)。
食品の製品開発や品質制御に役立てることを目的に、食品の物理的性状変化(融解、結晶化、ガラス-ラバー転移、包摂複合体形成など)について、温度、圧力、水分含有量などの因子に着目し、その解明に取り組んでいる。
日本農芸化学会、日本食品工学会、日本冷凍空調学会、日本応用糖質科学会などに所属。日本食品工学会奨励賞、低温生物工学会奨励賞、安藤百福賞(発明発見奨励賞)などを受賞。
<経歴>
2005年03月
東京水産大学 大学院水産学研究科
食品生産学専攻 博士後期課程修了
2005年04月~2007年03月
独立行政法人食品総合研究所
食品工学領域 特別研究員PD
2007年04月~2008年02月
東京工科大学 バイオニクス学部
バイオニクス学科 助教
2008年03月~2013年03月
広島大学 大学院生物圏科学研究科
生物機能開発学専攻 講師
2013年04月~
広島大学 大学院生物圏科学研究科
生物機能開発学専攻 准教授
2019年04月~
広島大学 大学院統合生命科学研究科
生生・食品物理工学 准教授
<研究キーワード>
食品加工、食品保存、凍結、乾燥、レオロジー、
熱物性、相転移、ガラス転移、澱粉
<所属学会>
低温生物工学会、日本冷凍空調学会、
日本応用糖質科学会、日本農芸化学会、
日本食品工学会
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研修内容
固体食品は大部分が非晶質(結晶の様な秩序構造を持たない状態)であり、温度や水分の変化によってガラス-ラバー転移(ガラス転移)します。ラバー状態の食品は柔らかいのに対し、ガラス状態の食品は硬い性質を示します。ガラス転移によって力学的性質が著しく変化するため、食品においては加工性(切削性、粉砕性、凍結乾燥時のコラプス抑制)、保存性(粉末の凝集・固着抑制、再結晶化、澱粉の老化、タンパク質の活性低下、乳酸菌の生菌数低下)、食感(サクサク・パリパリなどのハード or ぐにゃぐにゃ・もちもちなどのソフト)などに大きく影響します。
したがって、食品のガラス転移特性を理解し、それを制御することで、様々な技術戦略が可能になります。しかし、食品分野におけるガラス転移の認識はまだ十分とはいえず、食品のガラス転移温度をどのように決定すれば良いのか、ガラス転移温度を制御するにはどうすればよいのか、そもそもガラス状態・ガラス転移とは何なのか、といった質問をよくお受けします。 本講座では、ガラス転移に関する基礎とガラス転移温度を制御することの実用的意義について丁寧に解説します。物性に関する話題は難解な印象を与えますが、実在する食品を対象とした研究事例を多く取り入れることで、直感的に理解できるよう努めたいと思います。 |
<☆プログラム>
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