中京大学文学部助教授、東京都立大学人文学部教授などを経て2013年より現職。専門は、官能評価、実験心理学。元 日本官能評価学会会長、専門官能評価士。感性・官能評価を利用した製品・サービスの開発や、感性・官能評価実験の実施、データ分析に関する講演・コンサルティングを行っている。適切な感性・官能評価手法を用いて、客観的なデータに裏打ちされた正しい評価を製品やサービスに対して行い、消費者に広く受け入れられる感性製品の開発を目指している。
感覚器の相互作用について知ってはいるけどどう使えるのか?理論的に学び、製品開発に活かしたいという人は多いのではないでしょうか。ものづくりにあっても、一つの感覚だけでなく、様々な感覚の効果を同時に考慮したものづくりが必要である。様々な感覚現象は、ある意味で宝の宝庫でもある。データに基づくという基本に立って、これらの知識を活かしていく姿勢が重要である。
- 1.視覚の認知特性
- 2.聴覚の認知特性
- 3.触覚の認知特性
- 4.味覚の認知特性
- 5.嗅覚の認知特性
- 1.視覚と聴覚の相互作用
- a. 視覚優位の相互作用
- b. 聴覚優位の相互作用
- 2.視覚と触覚の相互作用
- a. 視覚優位の相互作用
- b. 触覚優位の相互作用
- 3.聴覚と触覚の相互作用
- 4.視覚と味覚の相互作用
- 5.視覚と嗅覚の相互作用
- 1.感覚間相互作用のモデル
- a. モダリティー適切性仮説
- b. 最適重みづけ仮説
- 2.判断バイアスによるものか、感覚の変化か
- 1.五感の認知メカニズムについての知識を修得する
- 2.感覚同士の相互作用についての様々な錯覚現象についての知識を修得する
- 3.感覚間相互作用がなぜ生じるのか、そのメカニズムについての知識を修得する
- 4.ものづくりや製品評価に視覚の認知特性や感覚間相互作用を活かすノウハウを身につける
人間は五感を使って外界を認知します。それぞれの感覚情報は異なる感覚器官を通して獲得されますが、得られた感覚情報が外界の完全に忠実なコピーであるとは限りません。例えば、視覚器官はとても精密な器官ですが、わたしたちは、錯覚によって対象の見えが歪んでしまうこともありますし、視覚以外の他の感覚からの影響を受けてしまうという不思議な側面も持っています。例えば、「目で食べる」という言葉があるように、食べ物の味には、味覚だけでなく視覚もかなり重要な役割をすることがあります。オレンジジュースを黒くした場合と、そのままオレンジ色にした場合とでは、もともと同じ味のはずなのに違う味に感じられるということはありそうなことです。このように、ある感覚に別の種類の感覚が影響を与えることを感覚間相互作用といいますが、感覚間相互作用は視覚と他の感覚の間にだけでなく、他の感覚同士でも生じます。わたしたちは外界のあらゆる情報を五感によって得ていますので、感覚器官についての理解を深めることは製品開発のあらゆる面で役に立ちます。 そこで本講座では、視覚の認知メカニズムの解説からスタートし、様々な感覚間で生じる相互作用の現象とメカニズムについて実例を挙げながら説明していきます。さらに講義の最後には、視覚の認知メカニズムや感覚間相互作用を活かした“ものづくり”の可能性についても言及します。
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