講師:名古屋工業大学 工学研究科 准教授 前川覚 先生
2012年3月 横浜国立大学大学院環境情報学府博士後期課程修了。鳥取大学大学院工学研究科 助教などを経て、2018年4月より現職。専門はトライボロジーで、特に「タイヤ用ゴム材料の摩擦特性評価」や「ゴム摺動面の接触面観察と摩擦振動評価」に関する研究に取組む。トライボロジー学会、精密工学会などに所属。
※この講座はオリジナルです。
受講者のレポート
1.摩擦振動は現象の原因が摩擦(トライポロジー)、現象の結果が振動(振動学)。表現は最小構成要素の力学モデルが基本で応用は機械振動関連の書物を参考。分類は3つに分けられ、静止摩擦力と動摩擦力の差により生じるスティックスリップ。二つ目は動摩擦力の速度弱化により生じる。三つ目は構造不安定性により生じる。
2.モデリングは機械振動関連の書物で理解すること。非減衰振動と減衰振動の自由振動と強制振動の理解。安定解析として自励振動の理解。
3.アモントン・クーロンの摩擦の第Ⅰ~Ⅳ法則の成立の有無。実質接触面積とせん断強度で摩擦力をコントロール。潤滑油による摩擦の形態。静止摩擦力は時間に依存し、動摩擦力は速度に依存する。
4.3つの発生メカニズム。1つ目は静止摩擦と動摩擦に着目。二つ目は動摩擦力の相対速度に着目。三つ目は構造の不安性に着目。
5.摩擦振動回避の設計は4ステップで振動の場所、特性を掴むこと。実機により近い試験ができれば効果が高くなる。対策に構造設計や摺動面設計がある。最新の研究では振動が発生したら振動を打ち消す制御等ある。
講習会について
摩擦振動や異音を対策できるようになります
Excelを使った振動シミュレーション講座も配信開始
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- 1. 摩擦振動の分類
- 2. スティックスリップの特徴
- 3. 不安定振動の特徴
- 1. 振動系のモデリング
- 2. 非減衰振動と減衰振動
- 3. 自励振動
- 4. 摩擦振動系のモデリング
- 1. 静止摩擦力と動摩擦力
- 2. 表面粗さと真実接触面積
- 3. 潤滑の形態
- 4. 静止摩擦力の時間依存性
- 5. 動摩擦力のすべり速度依存性
- 1. スティックスリップの発生メカニズム
- 2. 不安定振動の発生メカニズム
- 3. その他の摩擦振動メカニズム
- 1. 構造設計に基づく対策
- 2. 摺動面設計に基づく対策
- 3. 最近の研究動向
■講義概要
摩擦振動や異音の対策でお困りの方、これから摩擦振動の問題に取り組む方を対象として、「これだけは知っておくべき基礎知識」を最短距離で簡潔に提案します。摩擦振動を理解して適切な防止策を見つけるためには,振動学と摩擦学(トライボロジー)の正しい理解が必要不可欠です。逆に言えば、これらの知見をうまく使いこなすことで、個々の事例に即した正しい対処法を見つけることが問題解決への糸口となります。 本講座では、振動学と摩擦学(トライボロジー)の中でも摩擦振動の理解に必要なポイントのみを抽出して、わかりやすく解説します。続いて、摩擦振動の発生メカニズムについて力学モデルを用いた理論展開により詳しく説明します。最後に、摩擦によって生じる振動(スティックスリップ)や異音を防止するための具体的な処方箋を提供します。
摩擦振動や異音の対策でお困りの方、これから摩擦振動の問題に取り組む方を対象として、「これだけは知っておくべき基礎知識」を最短距離で簡潔に提案します。摩擦振動を理解して適切な防止策を見つけるためには,振動学と摩擦学(トライボロジー)の正しい理解が必要不可欠です。逆に言えば、これらの知見をうまく使いこなすことで、個々の事例に即した正しい対処法を見つけることが問題解決への糸口となります。 本講座では、振動学と摩擦学(トライボロジー)の中でも摩擦振動の理解に必要なポイントのみを抽出して、わかりやすく解説します。続いて、摩擦振動の発生メカニズムについて力学モデルを用いた理論展開により詳しく説明します。最後に、摩擦によって生じる振動(スティックスリップ)や異音を防止するための具体的な処方箋を提供します。
- ・摩擦に関する基礎知識(トライボロジーのポイント)
- ・振動に関する基礎知識(機械力学のポイント)
- ・摩擦振動に関する基礎知識のその対策法
33,000円(税込)
約3時間
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