澱粉(でん粉)とは何か
植物が光合成で産生したぶどう糖(グルコース)を貯蔵しやすい形に合成したものです。
植物の種類によってでん粉粒の大きさ、形はそれぞれ違ってきます。
澱粉の特徴
澱粉は通常、粉体の状態で存在している
澱粉を水に混ぜても溶けることはなく、時間が経つと沈殿してしまう(澱粉の所以)
しかし、澱粉を水に分散した状態で加熱すると、徐々に溶液が透明になり、最後は糊に変化する
これを澱粉の糊化と呼ぶ
一方でこの糊を冷蔵庫等で冷却すると、固いゼリーの様な状態に変化する
作った糊が時間が経つに連れて白くなり、ゼリーのように固まる現象を澱粉の老化と呼ぶ
澱粉のこれらの特徴を上手く利用して、様々な製品に使用されている
澱粉の糊化に影響を与える要因
① 水分
低いと増粘しやすいが、糊化不良に注意
② 熱(温度及び時間)加熱によって膨潤(増粘)⇒溶解(低粘度化)
③ せん断ストレスによって膨潤(増粘)⇒溶解(低粘度化)
④ 酸酸加水分解による低粘度化
⑤ 糖、塩類、乳化剤増粘のタイミングが高温域にシフト
澱粉の老化について
糊化澱粉を放置・冷却した際にできる
糊化澱粉(α-澱粉)が時間とともに自発的に天然澱粉のように水に不溶性の状態に変化することを老化(retrogradation)(β化)と呼んでいる。糊化の逆の現象。 20世紀初頭に澱粉糊液を室温に保存すると、沈殿を生成するが、沈殿を再加熱すると糊液が再現されることが観察され、この沈殿現象が老化と呼ばれた。 1930年、KatzがX線回折法で澱粉が老化すると、天然澱粉様の結晶構造が回復することを見出し、糊化の逆現象であることを裏づけた。老化は結晶化というよりはゲル化
老化とは澱粉分子が自然に会合(凝集)し、部分的に密な集合状態に移行する状態変化。 澱粉分子の会合は主にグルコース残基のOH基による水素結合。 高温では、この水素結合は不安定だが低温下では安定化する。老化を防ぐために
老化が進む原因 ①水分が30-60%であること ②温度が低くなること 老化を防止するために ・80℃以上で乾燥する ・0℃以下で急速に脱水させ水分含量を10~15%以下にする ・砂糖などの保水性物質を添加する加工澱粉について
油脂加工澱粉とは?
油脂を澱粉にコーティング
- タンパク質との結着性
- 原資澱粉の特性は維持
- 肉への結着性(フライ衣、水畜練り)
油脂加工澱粉の主な用途
- 水畜練り製品(日食ねりこみ澱粉):アシの強化、保水性向上、保存安定性向上
- 挽肉加工品:粗挽き感向上、ジューシー感向上、歩留まり向上
- フライ食品(日食バッタースターチ)(とんかつ、魚介フライ、等):衣=中種との結着性向上、食感改善 中種=保水性向上、食感強化
受講の対象者商品開発ショコラティエ趣味
- 食感の安定化に悩んでいる方
- フライ食品の安定化を図っている方
- 澱粉についてこれまで詳しく知らなかった方
受講者の声
- 他食品成分との相互作用を知ることができてよかった
- でんぷんは科学的にまだ謎の多い物質だとわかった
- でんぷんの構造についてこれまで学んでこなかったので理解できてよかった
澱粉製品の紹介
会社紹介