品質技法

FMEA・FTAなんでも相談室(品質技法相談室)

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<開設にあたって(ひとこと)>
 みなさん、こんにちは。上條仁です。さて、いきなりですが、ものづくりの世界には品質技法と呼ばれるものがあって、みなさんの仕事に大変役立ちます。具体的には、FMEA、FTA、QFD(品質表)、タグチメソッド、TRIZといったもので、他にもいろいろあります(横文字が多いですね)。ただ、こういった技法を正しく使うには、専門書を読んだり、セミナーに参加したり、会社の先輩に教えもらったり、とにかく勉強しなければなりませんが、まったく何も知らないまま始めると、躓いてしまったり、予想外に遠回りをしてしまうということになりかねません。
 そこでこの相談室では、FMEAやFTAをはじめ、品質技法の基本的なことを紹介していきます。基本を掴んでいただいたら、書籍やセミナーなどで本格的な学習をスタートしてほしいと思っています。ご意見・ご質問などありましたら、ご遠慮なくお願いします。
<簡単な自己紹介>
改めまして、上條仁(かみじょう ひとし)といいます。 1983年に大学を卒業し、株式会社日立製作所に入社しました。入社してしばらくは電力や自動車用の半導体の設計開発をしていましたが、あるとき半導体グループ品質信頼性保証本部という部署に異動となりました。そこではISO9001&QS9000(現IATF16949)認証担当、兼、全社品質改善活動担当を務めることになり、QFD(品質機能展開)を日立全社への普及展開活動などに尽力しました。 そして、2002年に長年勤めた日立製作所を退社し、CS?HKという品質技法のコンサルタント事務所を設立しました。現在は、大手企業を中心にFMEA・DRBFM、FTA、DR、QFD(品質機能展開)、TRIZ、ISO9001、IATF16949等のコンサルタントとして活動しています。

一言でいうと「FMEAは故障予測」、「FTAは再発防止」です。故障予測とは、何が起きるかを想像することです。 一方で再発防止では、何が起きたかを“さかのぼる”ことが重要となります(JISにも出ています)。 また、FMEAを不良リストのように扱っている企業が散見されますが、これはFMEAの本来の姿ではありません。 不良リストを作るのは、同じ事故や不良を起こさないようにするためですが、これは再発防止(FTA)であって、FMEAではありません。 不良リストを作ってFMEAを実施していると思っている企業が多いことは残念なことで、こうしたことがFMEAとFTAを混同してしまう一因かもしれません。

そうですね、まず、世界で最も流通しているFMEAの書式は、自動車業界の規格であるISO/TS16949のものです。 ただ、この書式にも数通りのものがあります(もちろん基本は同じですが)。 さらに、各企業独自の書式もあり、ISO/TS16949の認証を取得している企業も多少工夫しながら使っています。 また、トヨタ方式と言われるDRBFMの書式も広く使われています。 ただ、一番重要なことは、FMEAがきちんとできているかということです。 FMEAの本来の目的は故障予測であり、それができているのであれば、実のところ書式にそれほどこだわる必要はないのです。

もちろん、研究開発にも役立てることができます。たとえば、事業化(商品化)が見込める段階になった時点では、FMEAを実施することは非常に重要です。 ただし、まだ事業化も見えない技術を確立する段階で、「コストを無視してもいいから、とにかく一つできればいい」という場合は、FMEAを実施するよりも、技術確立に力を入れたほうがいいでしょう。 このような状態でFMEAを実施すると本来の技術確立が延滞してしまう可能性があるので気をつけてください。



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