テックデザインtop › フォーラム(掲示板)一覧 › テックデザイン講座 質問と回答集 › 官能評価 › 順位法【テックデザイン官能評価シリーズ】
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T・Oキーマスター
<質問>
専門パネルの選定基準の決め方。順位法のデータを正規化して間隔尺度にする手法があるが、その方法論について。
<回答>
正規化順位法はあまり勧めません,この手法は,データが正規分布をしていて,例えば5段階評価の時,正規分布で1から5の面積(確率)は等しいと仮定しています.実際のデータでは,そのようなことはあまりないと思います.順位データは順位データとして分析したらいかがでしょうか.T・Oキーマスターケンドールの順位相関係数の例の表でPとQの数字の求め方が理解できませんでした。計算方法を教えてください。
ケンドールの順位相関の表の試料Aに対するP(一致)の値は4、Q(不一致)の値は2になっています。
この値の求め方ですが、まず一致に関して説明しますと、Aを基準にして、AとB,AとC,AとD,AとE,AとF,AとGについて考えます。
最初にAとBですが、パネリストXはAを1,Bを2と評価しています。Aが1でBが2ですから、1から2に数値が増えています。一方、パネリストYは、Aが3でBが2ですから、この場合は、数値が3から2に減少しています。このことから、パネリストXの反応とパネリストYの反応は、逆のである(つまり一致していなく、不一致である)ことになります。そこで、AとBは不一致にカウントして、試料Aの不一致のマスに1ポイント加点します。次に、AとCですが、パネリストXはは、Aを1でCを3と評価し数値は1から3に上昇しています。そして、パネリストYは、Aを3でCを5ですから、こちらも数値は3から5に上昇しています。つまり、パネリストXとYの反応は、両者とも上昇で一致しています。そこで、今度は試料Aの一致のマスに1ポイントを加えます。そして、AとBが済んだら、次はAとCについて同様のやり方で判定をして、一致だったらAの一致のマスに1ポイントを追加し、不一致だったらAの不一致のマスに1ポイント追加します。このようにしたら、次はAとD,次はAとEというように同様の判定を繰り返し、Aの該当するマスに1ポイントずつ加えていきます。
それが済んだら、Bを基準にして、BとC、BとD、BとE、BとF、BとGについても同様の判断を繰り返します。この場合、一致でしたらBの一致のマスに1ポイント、不一致でしたらBの不一致のマスに1ポイントという具合に加算していきます。
これとどうようの手続きを試料Fまで行い、FとGについて該当するマスにポイントをついかしたら、判定はすべて終了し、表の一致と不一致のますがすべて埋まります。
かなり面倒ですが、以上のような手続きで進めていただければと思います。T・Oキーマスタースピアマンの順位相関係数についての質問
①スピアマンの順位相関係数rsについて1に近いほど相関があるとの解釈でよろしいでしょうか。
<回答>1に近いほど正の相関があるとの解釈でいいと思います。②n>10の時の解き方でn<10の解いてもをしてもよいのでしょうか。
<回答>n>10の解き方は、正規分布による近似法ですので、n<10の時は正規近似を使わない方がいいと思います。T・OキーマスターT・Oキーマスター官能評価において、3群以上の値の比較を行いたい
ケースでは、どのような手法や解析ソフト等を 利用されていますでしょうか(多重比較検定等でしょうか)。Rでフリードマンの順位検定をします。
T・Oキーマスター①ケンドール一致性でnとkが表にない時ですが、求めたx0の2乗はSと比較すればよいでしょうか。また、dfの自由度をどうやって使うのかどこから出てきたかおしえてほしいです。
<回答>
求めたχ2乗値が有意かどうかについてですが、ケンドール一致性の検定では、試料の数(n)が7以上の場合は、χ2乗検定を行って検定します。
χ2乗値は12×S/{n×k×(k+1)}を計算すれば得られますが、自由度dfは評価者の人数(k)-1で求めます。
上記の計算が済んだら、このメールに添付したχ2乗分布表を使って計算します。
例えば評価者の人数kが10人で、試料の数nが8個の場合、自由度dfは10-1=9になります。
そこで、添付したχ2乗分布表を使って、χ2乗分布表の自由度dfが9で、有意確率が5%(p=0.05)のところのχ2乗値を見ると16.92になっています。
計算した結果得られたχ2乗値とその16.92を比較し、計算した結果得られたχ2乗値の方が16.92よりも大きな値であれば、5%水準で有意ということになり、有意確率5%で、10人の評価者の評価には一致性があるといえます。②ウィルコクソンの順位和検定でmとnが表にない時にでてきたu0.05=1.645とu0.025=1.960の求め方が知りたいです。
<回答>
u0.05というのは、有意確率5%(p=0.05)のZ値(単位正規分布の横軸の値)のことであり、u0.025は、有意確率2.5%(p=0.025)のZ値のことです。これらのZ値は、このメールに添付した単位正規分布表で求めることができます。この単位正規分布表からは、有意確率が5%(p=0.05)に対応するZ値は1.64485となっており、小数点以下3桁でいうと1.645になります。また、有意確率が2.5%( p=0.025 )に対応するZ値は1.95996となっており、小数点以下3桁でいうと1.960になります。T・Oキーマスターx2乗分布表と単位正規分布表はそれぞれどういう場合に使い分ければいいのでしょうか。
<回答>
ご質問の件ですが、データの検定手法には、パラメトリック検定とノンパラメトリック検定があり、母集団に正規分布やχ2乗分布を仮定した場合にはパラメトリック検定を行い、母集団にそのような統計分布を仮定せずに検定する場合をノンパラメトリック検定といいます。
ケンドール一致性検定の場合は、試料の数(n)が6以下の場合はノンパラメトリック検定を行い、ケンドール一致性検定の検定表をそのまま利用します。一方、7以上の場合は、χ2乗分布を想定したパラメトリック検定を行いますのでχ2乗分布表を利用した検定を行います。
ウィルコクソンの順位和検定の場合は、mとnが小さい場合にはノンパラメトリック検定を行いウィルコクソンの順位和検定の検定表をそのまま利用して検定しますが、mとnの数が大きくなってその検定表に載ってない場合には、正規分布表を利用したパラメトリック検定を行います。
なぜケンドール一致性検定の場合はχ2乗分布表を用い、ウィルコクソンの順位和検定の場合は単位正規分布表を用いるのかということについては、試料の数が多くなった場合には、前者はχ2乗分布を想定すれば近似できると考え、後者は正規分布を想定すれば近似できると考えたからということになると思います -
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