乳製品開発のための 乳・乳製品の知識と技術

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  • このトピックには1件の返信、1人の参加者があり、最後にT・Oにより3年、 5ヶ月前に更新されました。
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  • #14499 返信
    T・O
    キーマスター

    tdo2020121801

    • このトピックはT・Oが3年、 5ヶ月前に変更しました。
    #14500 返信
    T・O
    キーマスター

    質問
    ①カゼインミセルにおいて、低温ではなぜ疎水的相互作用が働かないのでしょうか。またこちらの現象はカゼインミセルに限った話なのでしょうか。
    ②カゼインミセルにおいて、CMPの親水性がカゼインミセルの水溶性にポジティブに影響していることを知りました。しかし、CMPはk-カゼインがレンネットによって切断されることにより生じるペプチドだと思います。どうして乳中に大量にCMPが存在しているのでしょうか。
    ③ホエイの焦げ付きやすさは主にホエイのどういった成分の特徴によるのでしょうか。ホエイには乳糖が多く含まれていると思いますが、乳糖とホエイタンパクのメイラード反応が影響しているのでしょうか。

    回答
    ① 何故低温では疎水性相互作用が働かないかについては「牛乳・乳製品の知識」のp38-40に記載の通り熱力学によって説明されます。ギブスの自由エネルギーG、エンタルピーH、エントロピーS、絶対温度Tは、式(1-7)の関係があります。疎水性相互作用ではエンタルピー変化△H、エントロピー変化△Sはともに正です。
    ギブスの自由エネルギー変化△Gがマイナスとなる場合に化学反応は進行します。逆に△Gがプラスの場合、自然には反応が進行しません。
    なので、疎水性相互作用が自然に進行するのは△G<0の時で、そのためにはT>△H/△Sでなければなりません。T<△H/△Sでは疎水性相互作用は進行しないのです。実際にはたんぱく質の種類や状態により△Hや△Sは異なりますが、カゼインミセルのみならず他の物質でも同じです。具体的に何度以下なら働かないとは言い切れませんが、一般的には5℃以下では働きにくくなると考えられます。 ② CMPはκ-カゼインにレンネットが働いて乳中に遊離してきます。なので、CMPの量はκ-カゼインの量、カゼインミセルの状態(例、乳の殺菌温度、乳質、などなど)、動物の種類などによって変わります。κ-カゼインの量はカゼインミセルの粒径が大きくなりすぎて水に分散できなくなることを防ぐ程度に含まれているわけですが、詳しいことは分かっていません。乳の謎、神秘の一つです。 ③ ホエイの焦げ付きはホエイたんぱく質―乳糖のメイラード反応により高分子化するため、さらにホエイたんぱく質が加熱変性して凝固するためと考えられています。ホエイ粉製造では問題になることはご承知のとおりです。噴霧乾燥の条件を調整して焦げ付きを減らすのですが、その条件についてはノウハウがおありだと思います。

    • この返信は3年、 5ヶ月前にT・Oが編集しました。
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