パネルの選定方法について、QDA法で一般的に実施されているパネルの選定方法を教えて頂きたいです。
<回答>
<パネルの選定方法について>
QDA法は分析型の官能評価ですので、QDA法のパネルは分析型パネルになります。
分析型パネルに求められるのは、第1に、ある一定以上の感覚感度を有していることです。
その能力を測定する方法としては、味覚でしたら五味の識別テストや基本4原味の濃度差の識別テスト、嗅覚でしたら、においの識別テストやにおいの濃度差の識別テストがあります。それらのテストに対して、合格基準を設定します。
第2に、検査の対象試料を用いて、3点試験法、配偶法、順位法などによって、パネルの識別能力を測定する方法があります。こちらも合格基準を設定しておきます。
これらのテストの合格基準については、一応は合格基準がありますが、検査を実施する方の経験に基づいて決めてもよいと思います。
<パネルの訓練について>
訓練の方法としては、下記のようなものがあります。
1)パネルに対する説明
(a) 個人の好みを排除して評価すること
(b) 試料の評価の仕方(においの嗅ぎ方、味わい方など)
(c) 評価の前には、たばこや刺激物を控えること など
2)味やにおい等の基礎的な訓練
(a) 呈味物質やにおい物質を用いて、3点試験法や順位法を用いて訓練する
(b) においの質を言葉によって描写させたり、種々の食品を食べてテクスチャーを言葉によって描写させる など
3)対象試料群での訓練
(a) 対象試料群を用いて、対象試料の識別力、描写力や対象試料が有する種々の官能特性の検出力を向上させる
(b) 強度についても適切に測定できるように訓練する
以上のようなことが基本的なパネルの選抜方法と訓練方法といえます。
なお、QDA法の場合、パネルリーダーのもとで、検査対象の試料の一部を用いて、以下の手順で検査を進めます。
(a) 言葉だし
(b) 話し合い
(c) 評価語の決定
(d) ためし評価
(e) 尺度合わせ
(f) 本評価
(g) データ解析
(c)で評価語が決定されたら、実際に検査する試料を用いてためし評価を行い、試験に参加するパネルに集まってもらいためし評価の結果を分析し、パネル間で評価のばらつきが大きいものについて、評価語の意味の確認やパネル間の評価水準の調整等を行い(尺度合わせ)、もう一度ためし評価を行って、尺度合わせを行うということを繰り返します。そして、ためし評価のばらつきの程度が基準を満たしたら、本評価を行います。
これらの「ためし評価」→「尺度合わせ」という手続きを繰り返すことは、パネルの貴重な訓練になります。
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