このサイトではJavaScriptを使用しています。ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからお使いください。 食品製造で問題になるカビ・酵母の基本情報と衛生管理・対策 [講習会詳細] | テックデザイン
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カビ・酵母の種類、特性や危害性などの基本情報に加え、特に制御の困難な耐熱性カビに焦点を当て、その特殊性や注意点、殺菌設計などの制御方法について解説します。経験豊富な講師による実践的な内容です。カビ・酵母分類・同定のプロと現場指導のプロの2名が解説します。

 

食品製造で問題になるカビ・酵母の基本情報と衛生管理・対策

 

コード tds20251126t1
ジャンル 食品
形式 対面セミナー
日程/時間 2025年 11月 26日(水) 12:30~17:00
会場

関西大学 東京センター(東京 東京駅 大手町駅)

受講料
(申込プラン)

会場受講: 39,600円 (消費税込)

 

第1部:カビ・酵母の基本的な特徴と検査方法(2.5時間)

●講師

株式会社テクノスルガ・ラボ 技術部 菌類グループ 主席研究員 博士(農学) 喜友名 朝彦

2003年3月、琉球大学理工学研究科海洋自然科学専攻 修士課程修了。同年4月、株式会社エヌシーアイエムビー・ジャパン(現(株)テクノスルガ・ラボ)に入社し、現在に至る。2013年1月、文化財の菌類(カビ・酵母)による生物劣化の研究成果をまとめて、筑波大学生命環境科学研究科にて論文博士として学位(博士(農学))取得。カビ・酵母の分類・同定を専門とする。日本菌学会、米国菌学会、英国菌学会、日本防菌防黴学会、等に所属。

●詳細

1. カビ・酵母の特徴および生態
 1.1. 基本的な特徴、形態
 1.2. 分類
 1.3. 生活環
 1.4. 生態~生息環境、生育条件

2. カビ・酵母の検査に必要な機器・器具および培地

3. 食品製造で問題となるカビ・酵母の種類と特徴

4. 好乾性カビ
 4.1. 好熱性カビの種類と特性
 4.2. 好熱性カビの検査法

5. 耐熱性カビ
 5.1. 耐熱性カビの種類と特性
 5.2. 耐熱性カビの検査法

6. カビ毒(マイコトキシン)
 6.1. カビ毒性産生カビの種類と特徴
 6.2. カビ毒産生菌の検査法

7. カビ・酵母の同定方法
 7.1. 形態観察による同定法
 7.2. DNA塩基配列解析およびMALDI-TOF MS法による同定法
 7.3. 現場における実践的な同定法~各種同定法の比較および併用について

 食品製造環境ではカビ・酵母をはじめとする様々な微生物による問題が日々生じており、食品製造において問題となるカビ・酵母による汚染は、品質劣化および経済的損失の主要因の一つです。それら微生物を制御するためには対象微生物の特徴を理解することが大切です。そこで、本講義では、はじめにカビ・酵母の基本的な特性について概説した後に、食品製造で問題となるカビ・酵母の代表的な種類の特徴、カビ毒産生、耐熱性および好乾性カビの種類と特徴について解説し、最後にカビ・酵母の同定方法について解説します。

第2部:食品製造におけるカビ対策(2時間)

●講師

一般社団法人 食品品質プロフェッショナルズ 代表理事 テックデザインパートナー講師 広田 鉄磨

ネスレのグローバル組織で海外勤務を 13 年経験、地方や国によって大きく食品安全の概念や座標が異なることを体感。帰国後は その経験をもとに 厚労省の HACCP 教育ツール開発グループメンバー、農⽔省主導の JFSM 創設準備委員会メンバー、JFS-A,B 監査員研修のテキスト編集。関⻄大学特任教授として食品安全を教えるかたわら 自ら創設した 一般社団法人 食品品質プロフェッショナルズの代表理事となって現在に至る。
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●詳細

①どのような工程で、どのような所で、どのような商品で、どのようなカビが生え、そのカビの特質はどのようなものか
 ⇒生鮮・青果、加工品であっても要冷蔵、加工品であって常温保管など分野別に解説を行う

②カビが生えることによる経済的なロスはどの程度か
 ⇒正確な金額で提示されているものは少ないので各商品群について大まかな推計を行う

③カビによる食中毒事件は起きているのか(健康危害ロス)
 ⇒現在はまれとなったが過去にはカビ毒中毒が起きていたが現在は皆無といってよい

④そのカビの特質をにらんで対策を打つとしたらどんなものが最適か
 ⇒現在採用されている対策群を列記する

⑤そのカビが十分に抑制されていることを、どうやってモニタリングしていけばいいか
 ⇒現在一部で実施されているモニタリング方法を列記する

⑥総合的に言えば我々は十分にカビを制御しているといえるのか
 ⇒講師より私見を交えつつ総評を行う

【習得事項】
いろんなカビ対策が喧伝されてはいますがこれ一本でどこでもいつでもなににでも応用可能といった対策は存在しないことは皆さまもすでに実感されていることだと思います。例えばパンのスライス工程であった場合、清掃に次ぐ清掃でカビの胞子を機器表面から取り除く、おまけに供給する空気の清浄化までおこなってかつまた衣服表面にカビ胞子を付着させている従業員の入室を制限までしてなんとか消費期限を数日引き延ばすことに成功しているというのが実態でしょう。現在どんな商品ではどんな対策を中心に据えているというお話ののちカビが視認できるまでのサイズに成長するには結構な日数がかかることから対策の効果が維持されているかの確認に時間がかかるため常々実際の製品についてのクレーム発生率のレビュー、あるいはエアーサンプラー、ふき取りなどで積極的にモニタリングをしていくことが不可欠であることを強調します。

【講義概要】
 カビの脅威はよく語られていますがそれがどれだけの経済的な損失(ロス)を引き起こし、健康危害を引き起こしているのか過去にはその推計すら行われていませんでした。今回の講義の中ではカビによる被害が引き起こす経済的なインパクトを現在入手できる資料をもとに推計します。そのインパクトをどれくらい軽減できるかによって対策群にかけることのできる予算というものがはじき出されてくるからです。例えば輸出奨励という政策上の追い風を受けながらもカビやすい商品群では輸出に二の足を踏む羽目となり逸失利益が生じているわけですのでカビ対策にかけられる金額というものはビジネスの命運の大きな部分を握っているといっていいでしょう。
 今まで知られている限りでは対策の効果にはこれひとつでOKといった絶対的なものがないため対策にかける費用は制限されてきました。食品というものがあまり高付加価値ではないものが多いためカビ対策が経済的に妥当性を持つもつことがあまりないということもその背景にはあるでしょう。
 しかしながら今回はモニタリングというステップをかませることで対策群の効果の計測をおこないアウトカムとしての対策間のシナジーを伸長させ対策にかける予算額の上限を見直していけるのではないかという提案に持っていきます。
 HACCPでいうところのCCPの設定ができない場合には効果を示すPRP群を有効に組み合わせ、そのグループとしての成果をモニタリングしていき、対策群の配分比もフレキシブルに変更することで抑制効果を最大限引き出していけるのではないかという考え方に類似しています。



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