プラスチックの強度設計は、KDD（勘と経験と度胸）によって進められている場合が少なくありません。本講では、材料力学の基礎、プラスチックの材料特性や成形・加工の影響に関する知見、設計上の実務ノウハウなどを分かりやすく解説します。

プラスチック製品の強度設計

～材料力学の基礎，プラスチック材料の特性とトラブル対策，強度設計の進め方・事例～

田口技術士事務所 代表 　技術士（機械部門）／博士（情報工学） 田口 宏之氏

九州大学大学院総合理工学府 修士課程修了。大学院修了後、東陶機器（現TOTO）に入社。12年間の在職中、ユニットバス、洗面化粧台、水栓金具等の水回り製品の設計・開発業務に従事。現在はコンサルタントとして、プラスチック成形メーカーやスタートアップ企業のプラスチック製品立ち上げ支援などを行う。また、社会人ドクターとして研究活動にも従事し、2024年に九州工業大学で博士（情報工学）を取得。日本技術士会に所属。

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＜習得知識＞
1．プラスチック製品の強度設計に必要な材料力学の基礎知識
2．強度設計において考慮すべきプラスチック材料の特性
3．実務における強度設計の進め方

＜プログラム＞
Ⅰ．プラスチック製品の強度設計に必要な
材料力学の知識
　1．プラスチック製品の強度設計
　　① ストレス・ストレングスモデル
　　② プラスチック材料の物性表
　2．プラスチックの物性表と一緒に学ぶ材料力学の基礎
　　① 荷重／応力／ひずみ
　　② フックの法則とヤング率
　　③ 応力－ひずみ曲線（S-S曲線）
　3．荷重ごとの強度計算方法の概要
Ⅱ．はりの強度設計と活用
　1．はりに発生する応力とたわみ
　　① はりの種類
　　② 曲げモーメント
　2．はりの強度計算
　　① はりの強度計算式
　　② 断面二次モーメント／断面係数
　3．引張特性と曲げ特性の違い
Ⅲ．プラスチック材料の特性とトラブル対策
　1．プラスチック材料の特徴
　　① 材料特性の決定プロセス
　　② 結晶性プラスチックと非晶性プラスチック
　2．温度特性
　3．粘弾性特性
　　① クリープ
　　② 応力緩和
　4．疲労
　5．劣化
　　① 様々な劣化要因（熱／水分／紫外線／その他）
　　② アレニウスの式を使った寿命の推定
　　③ RTI（相対温度指数）
　6．成形・加工の影響
　　① ウェルドライン／ボイド／残留応力 他
　　② 再生材
Ⅳ．実務における強度設計の進め方と事例
　1．要求事項の整理と安全率
　　① 製品ライフサイクルから抽出する要求事項
　　② 製品の使われ方の想定
　　③ ストレス・ストレングスモデルで考える安全率
　2．トラブルを未然に防ぐ図面、仕様書の書き方
　　① 図面・仕様書の位置づけ
　　② 機能・性能・詳細仕様を考慮した図面・仕様書の書き方
　3．事例で学ぶプラスチック製品の強度設計