このサイトではJavaScriptを使用しています。ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからお使いください。 米粉パンのおいしさと評価・改良のアプローチ [講習会詳細] | テックデザイン
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『もちもち』『しっとり』とした食感に優れ、アレルゲンになりづらい米粉パンをよりおいしくするために! 米粉の特性・品質についての基礎を踏まえた上で、最新の研究に基づく製粉・製造・焼成に関する条件の追求やグルテンフリー米粉パンの膨化・老化制御に関する取り組みについてを今後の展望を踏まえて解説します。

 

米粉パンのおいしさと評価・改良のアプローチ

 

コード tds20260804h1
ジャンル 食品
形式 オンラインセミナー(Live配信)
日程/時間 2026年 8月 4日(火) 10:00~17:30
配信について 見逃し配信もあります(視聴期間は講習会当日の10日後まで)
資料(テキスト) 電子ファイルをダウンロード
受講料
(申込プラン)

早割価格: 31,680円 (消費税込) ※6月12日までのお申し込みが対象です。

通常価格: 39,600円 (消費税込)

 

第一部:米粉特性の理解から米粉パン生産技術向上と食味・食感の計測を目指す (10:00~12:30)

●講師

同志社女子大学 生活科学部 食物栄養科学科 食品安全利用学研究室 教授 奥西 智哉先生

平成12年 京都大学大学院農学研究科博士課程を修了。同年 農林水産省に食品総合研究所 食品素材部 穀類特性研究室研究員として入省。平成17年 独立行政法人 農研機構 中央農業総合研究センター 北陸研究センター 米品質研究室研究員に着任後、同センター主任研究員、農研機構 食品総合研究所 穀類利用ユニット長、食品研究部門 食品加工・素材研究領域 食品加工グループ 上級研究員を経て令和8年より現職。米の研究者です。日本人は米を主食としていますので「稲」研究者は多いのですが、「米」研究者は意外に少ない。その数少ない米の研究者の一人です。貯蔵・品種判別・食味評価・米粉食品等の業務用/家庭用のすべてが対象です。農と食のコネクターとして年間何度か水田と食品工場には足を運びます。

●詳細

Ⅰ.米粉パンタイプの特徴と課題
 1.小麦粉ミックス,グルテンミックス,増粘多糖
 2.地域ごとの米粉用品種
 3.米粉主体(増粘多糖)

Ⅱ.米粉の製造と品質
 1.米の構造
 2.粉砕方法
 3.粒度・損傷澱粉
 4.損傷澱粉率

Ⅲ.米粉パンの品質要因
 1.デンプン糊化・老化
 2.アミロース・アミロペクチン

Ⅳ.米粉パンの品質評価
 1.硬さ
 2.老化
 3.破断後伸び
 4.MRI

Ⅴ.その他の米粉食品
 1.米粉麺
 2.菓子利用
 3.その他
 4.小麦グルテン(参考資料)

 米粉は従来より団子・和菓子に用いられてきました。しかし、ここ10年ほどでパンや麺といった本来は小麦粉で作られる食品にも利用がひろがっており、米粉パン等の認知度は非常に高くなっています。米粉の製造と品質、それに伴う米粉加工食品について米粉パンを中心に基礎的知識を整理しながら、また米粉パンの特徴を商材として生かすための切り口を紹介しながら、解説します。

第二部:2斤型を用いた米粉100%パンの製造方法 (13:30~15:30)

●講師

東京家政大学 栄養学部 教授 山田 徳広先生

1997年 東京農業大学大学院 農学研究科 生物環境調節学専攻 博士後期課程修了後、名古屋文理短期大学 食物栄養学科 助手に着任。1999年 同講師、2003年 北里大学 保健衛生専門学院 専任教員、2007年 天使大学 看護栄養学部 栄養学科 准教授(2008年に大学院 看護栄養学研究科 栄養管理学専攻 准教授を兼任)、2011年 帝塚山大学 現代生活学部 食物栄養学科 准教授、2015年 三重短期大学 生活科学科 教授、2020年 摂南大学 農学部 教授を経て2026年より現職。研究分野として、①米粉100%パンの開発 ②そば粉100%パンの開発 ③血糖の上がりにくい氷菓(アイスクリーム、シャーベット等)の開発 に取り組む。令和2年8月 日本食品工学会 第21回年次大会 優秀発表賞を受賞。

●詳細

Ⅰ.現段階で分かっている米粉100%パンを製造するのに適した米の成分特性
  …デンプンの特性(アミロース含量、アミロペクチンの鎖長分布)を中心に

Ⅱ.現段階で分かっている米粉100%パンを製造するのに適した米粉の粉体特性
 1.米粉100%パンの製造に適した米粉の粉体特性について
   …粉の粒度、澱粉損傷度、電子顕微鏡写真を中心に
 2.湿式気流粉砕の粉砕条件について

Ⅲ.米粉100%パンの製造に適したパン型の素材
  …フッ素加工やシリコン加工施したパン型の有用性、パン型の色について

Ⅳ.2斤型を用いた米粉100%の製造方法について
 1.加水量
 2.使用する油脂
 3.ミキシング(混捏)条件
 4.加水温度について
 5.焼成について

Ⅳ.市販2斤パンと同等の大きさ,柔らかさ,水分含量を24時間維持できる米粉100%パンの製造方法
  …上記Ⅰ~Ⅳを総合して

Ⅴ.現在の取り組み
 1.湿式気流粉砕の粉砕条件の検討
 2.特徴の異なる米から製粉した米粉を混合したミックス粉の開発
 3.高温障害が製パン性に及ぼす影響

 小麦パンの原型は、今から8000年〜6000年ほど前の古代メソポタミアで食べられていました。それに対し、米粉100%パンが盛んに研究される様になったのは2010年前後からではないでしょうか? 米粉100%パンの歴史は、今がスタート時点です。本講義では、米粉100%の現状と課題およびその解決に向けた取り組みについて解説します。
 最初に、デンプンの特性(アミロース含量、アミロペクチンの鎖長分布)を中心とした、米粉100%パンに適した米の成分特性について解説します。次に、米粉100%パンを製造するのに適した米粉の粉体特性について解説します。3番目に、米粉100%に適した粉を製粉するのに最も適していると言われる湿式気流粉砕とはどういう製粉方法なのかについてと、粉砕条件について解説します。4番目に、米粉100%パンの製造に適したパン型の素材について解説します。5番目に2斤型を用いた米粉100%の製造方法について、①加水量、②使用する油脂、③ミキシング(混捏)条件、④加水温度、⑤焼成条件を中心に解説します。上記を総合し、焼成後24時間以内であれば市販の2斤パン(約12cm平方)と同等の大きさ、柔らかさ、水分含量を維持できる米粉100%パンを製造する方法を開発したので、その方法を解説します。最後に、現在取り組んでいる①湿式気流粉砕の粉砕条件の更なる検討、②特徴の異なる米から製粉した米粉を混合したミックス粉の開発、③高温障害が製パン性に及ぼす影響について紹介をします。

第三部:米のチカラでパンはどこまで変わるのか ― デンプン糊化による膨化と老化制御― (15:30~17:30)

●講師

奈良女子大学 生活環境学部 食物栄養学科 助教 齋藤 公美子先生

2022年 奈良女子大学 大学院人間文化総合科学研究科 博士後期課程 生活環境科学専攻 修了。同年、奈良女子大学生活環境学部食物栄養学科 助教に着任。グルテンフリー製品の品質改善に関する研究に従事している。特に、加水温度制御によるデンプンの部分糊化を利用した「高温水添加製パン法」を開発し、グルテンフリー穀物に最適な製パン技術の確立を目指している。生地の粘弾性、気泡構造、発酵挙動および老化特性の関係解明を主な研究テーマとする。また、管理栄養士および製菓衛生師の資格を有し、基礎研究から実用化までを見据えた研究を推進している。共同研究の成果として、玄米粉100%を使用したシュークリームがコンビニエンスストアで商品化されるなど、産学連携による社会実装にも取り組んでいる。

●詳細

Ⅰ.グルテンフリー市場の現状と米粉の可能性

Ⅱ.グルテンフリー米粉パンの品質課題
 1.グルテン欠如による構造形成の問題
 2.従来の製剤的アプローチと本研究における技術的アプローチの違い

Ⅲ.加水温度とパン品質の関係
 1.デンプン糊化と生地粘弾性の関係
 2.製パン時における最適加水温度とは

Ⅳ.高温水添加製パン法の原理
 1.糊化度と比容積の関係
 2.気泡保持と生地粘弾性の最適化

Ⅴ.デンプンの糊化による老化抑制効果
 1.デンプンの再結晶化(老化)のメカニズム
 2.部分糊化構造が老化に及ぼす影響
 3.水分保持・構造安定化との関係

Ⅵ.実用化に向けたポイント
 1.米粉特性(粒度・損傷澱粉・アミロース)の影響
 2.製造条件設計の考え方

Ⅶ.まとめ:米のチカラを活かした製パンの未来と展望

<習得事項>
・グルテンフリー米粉パンの品質課題とその要因の理解
・製パン時の加水温度がパン生地粘弾性・気泡構造に与える影響の理解
・高温水添加製パン法の原理と実践的応用方法
・デンプンの糊化とパンの老化機序に基づく品質設計の考え方

 近年、健康志向や食の多様化を背景にグルテンフリー食品市場は拡大を続けており、その中でも米粉は日本発の有望な原料として注目されています。しかしグルテンを含まない米粉パンは気泡保持が難しく、膨らみや食感に課題があることから、増粘剤などの添加物に依存した製造が主流となっています。
 本講座ではこうした課題に対し、添加物に頼らず製造工程の工夫のみで品質向上を実現する「高温水添加製パン法」について解説します。本手法は私たちの研究グループが開発した新規製造技術であり、デンプンの糊化現象を制御することで生地の粘弾性を最適化し、気泡保持性を向上させるものです。特に、加水温度およびデンプンの糊化度が品質を左右する重要な因子であることを明らかにしています。さらに、本講座ではこのデンプンの部分糊化がパンの老化(硬化)を抑制するメカニズムについても詳しく解説し、グルテンフリー米粉パンの品質設計における新たな指針を提示します。米が本来有する特性を最大限に活かした製パン技術について、基礎理論と実用技術の両面から体系的に理解できる内容とします。



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