このサイトではJavaScriptを使用しています。ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからお使いください。 オレオゲルの基礎知識と食品への応用 [講習会詳細] | テックデザイン
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オレオゲルの研究は海外では盛り上がりを見せており、その原因の一つに代替肉への応用が挙げられます。本講座では、オレオゲルの基礎知識に加え、最近の「代替肉とオレオゲル」の研究情報や今後の動向を紹介します。

 

オレオゲルの基礎知識と食品への応用

 

~オレオゲルの構造・物性と応用を目指した最新の研究動向~

コード tds20241115y1
ジャンル 食品
形式 オンラインセミナー(Live配信)
日程/時間 2024年 11月 15日(金) 10:00~16:30
配信について 見逃し配信もあります(視聴期間は1週間程度)
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受講料
(申込プラン)

通常価格(pdfテキスト): 36,300円 (消費税込)

PDF+カラー製本テキスト: 39,600円 (消費税込)

 

●講師

広島大学名誉教授 工学博士 佐藤 清隆先生

広島⼤学名誉教授。⼯学博⼠。専門は⾷品物理学で、特に⾷品油脂の物理学的な研究における世界的権威。現在は⼤⼿⾷品関連メーカの技術アドバイザーを務める他、国内外の学協会からの招待講演も数多く⾏っている。これまでに、アメリカ油化学会 「Stephane S. Chang 賞」(2005年)、世界油脂会議「H. P. Kaufmann Memorial Lecture 賞」(2007年)アメリカ油化学会「Alton E. Bailey 賞」(2008年)、ヨーロッパ脂質科学⼯学連合「脂質⼯学賞」(2013年)などを受賞。また、著書には、『チョコレートの散歩道』(エレガントライフ、2013年)、『脂質の機能性と構造・物性』(共著,丸善出版,2011)、『カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン』(共著,幸書房,2011)、『チョコレート製造技術のすべて』(共訳,幸書房,2020)『チョコレートを極める12章』(幸書房,2024)などがある。

●詳細

1.オレオゲルとは何か

2.食品用オレオゲルの開発の背景
 2.1 WHOの食品油脂摂取のガイドライン
 2.2 トランス脂肪酸の代替
 2.3 飽和脂肪酸の低減

3.油脂の構造・物性と機能性
 3.1 結晶化とモルフォロジー
 3.2 エマルションの形成と安定性
 3.3 水滴の包含
 3.4 O/Wエマルション
 3.5 気泡の安定化
 3.6 肉製品のおいしさと油脂分散系

4.食品用オレオゲル
 4.1 形成機構
 4.2 オレオゲルに求められる機能性

5.食品用オレオゲルの評価法
 5.1 基本的な物性
 5.2 食品への応用

6.食品用オレオゲルの構造と物性
 6.1 「分子集合体ネットワーク」型
  (1)オリザノール+植物ステロール
  (2)エチルセルロース
  (3)タンパク質
 6.2 「固体粒子ネットワーク」型
  (1)高融点油脂結晶
  (2)モノアシルグリセロール
  (3)ワックス
  (4)乳化剤
  (5)シェラック
  (6)ハイブリッド(ワックス+固体脂)

7.食品用オレオゲルの応用例
 7.1 油脂性食品
  a. マーガリン・スプレッド
  b. クッキー、チョコレート
  c. アイスクリーム、クリームチーズ
 7.2 代替肉
  a. 代替肉の必要性と条件
  b. 代替肉へのオレオゲルの応用例

8.まとめと今後の展望
  8.1 オレオゲルの実用化の制限要因
  8.2 今後の展望

9.質疑応答

<習得知識>
・油脂含有食品の構造と物性の基礎知識
・オレオゲルの構造と物性に関する基礎知識
・オレオゲルの食品への応用に関する研究の現状と今後の課題

<講義概要>
 最近欧米において、油脂性食品に用いる固体成分としてのオレオゲルの構造と物性、およびその機能性に関する研究が急速に展開されている。ゲルとは、少量の固体成分のネットワークにより多量の液体を包含して保形性を持たせた状態をいうが、液体が水の場合がハイドロゲルで、油の場合がオレオゲル(オルガノゲルあるいはリピッドゲルともいう)である。オレオゲルはこれまで化粧品などで用いられてきたが、食品用にオレオゲルが注目されている背景には、トランス脂肪酸の代替と飽和脂肪酸の低減・代替の材料としての期待がある。とりわけ、2018年10月23日に世界保健機構(WHO)が発信した食品油脂の摂取に関するガイドライン、すなわち、「すべての食事のカロリー量中の脂肪の割合が30%以下、飽和脂肪が10%以下、トランス脂肪が1%以下」が極めて大きなインパクトを与えていると思われる。
 オレオゲルでは約90%以上の液油をゲル化剤が包含するが、そのためには高温で液油とゲル化剤が混合したゾル状態を冷却してゲル化剤の緻密なネットワークを形成する必要がある。そのネットワークには、固体粒子ネットワークと分子集合体ネットワークがある。前者では板状あるいは針状のモルフォロジーのゲル化剤の結晶粒子間の結合がネットワークを形成し、後者では液油中で生じる板状あるいは針状のゲル化剤の分子集合体が自己組織化してネットワークを形成する。
 これまでの研究で、さまざまなゲル化剤を用いたオレオゲルの基礎物性が明らかにされるとともに、マーガリン、ショートニング、アイスクリームなどの油脂性食品だけでなく代替肉への応用が活発に研究されている。欧米に比べて日本におけるオレオゲルの研究は十分に進捗しているとは思われないので、本講義ではオレオゲルの基礎と、その応用研究の最前線の情報を整理する。



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