このサイトではJavaScriptを使用しています。ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからお使いください。 【試食付き/2日間】チーズ製造の科学と技術 [講習会詳細] | テックデザイン
※お申込前に「注意事項」をご確認ください

チーズの特性や製造の概要、おいしさに大きく関係する物性の構造観察、風味を形成する熟成過程について、それぞれの専門家が解説します。2日目は実際にチーズを味わい、さらに理解を深めます(講師による解説付き)。味覚と科学の両面から学ぶことができる貴重な機会をぜひご体感ください!

 

【試食付き/2日間】チーズ製造の科学と技術

 

~製造実務のポイント、熟成における味・香り・物性の発現~

コード tds20260324n1
ジャンル 食品
形式 対面セミナー
日程/時間 2026年 3月 24日(火) 10:00~17:15
会場

テックデザイン セミナールーム(東京 飯田橋駅/九段下駅)

配信について 配信はありません。会場にお越しの上、ご受講ください
ご案内事項 ◎2日間講座です。
 1日目:3月24日(火)10:00~17:15(講義のみ)
 2日目:3月25日(水)09:30~12:30(試食あり)
◎定員を14名としております
受講料
(申込プラン)

①1日目のみ(早割価格): 32,670円 (消費税込) ※2/24までの申込

①1日目のみ(通常価格): 36,300円 (消費税込)

②2日間(早割価格): 49,500円 (消費税込) ※2/24までの申込

②2日間(通常価格): 55,000円 (消費税込)

 

お申込み・ご受講に関するご案内

・乳製品アレルギーのお持ちの方への2日目の試食の提供はいたしかねます
 (お申込み時にお申し出ください。1日目のみ受講のプランもございます)。
・試食するチーズは変更となる場合がございます。
・1日目と2日目の受講者様が異なっていてもご受講いただけます。
 事前にその旨お知らせください。
・2日目のみのご受講は承っておりません。

第1部
1日目: 地中海3大ホワイトチーズの科学
    ~製法が決めるテクスチャーと加熱特性~ 
2日目:3種類のホワイトチーズの試食

●講師

チェスコ株式会社  技術顧問 田中 穂積

1975年新潟大学農学部卒業後、雪印乳業株式会社(現・雪印メグミルク株式会社)に入社。以後、プロセスチーズ及びナチュラルチーズの製造、研究・開発に従事し、2004年に山梨県・小淵沢町にあるチーズ研究所長となる。2012年雪印メグミルク株式会社を定年退職し、以後、雪印メグミルクのグループ企業であるチェスコ株式会社などで技術顧問を勤める。開発を担当した主な商品・「とろけるスライス」(プロセスチーズ)・「チーズファーム」(ナチュラルチーズ)(開発の経緯・背景等については、雪印メグミルクのHP「日本人にとっての、おいしいチーズを求めて」第1回・第2回 を参照ください )

●詳細

<1日目プログラム>
1.3種類のホワイトチーズ(フレッシュチーズ)の特徴とその製法について
① 「ハルミ」
② 「モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ」
③ 「フェタ」

2.チーズの加熱特性(融けと伸び)が発現するメカニズム
① カゼイン・ミセルの構造
② 酸生成によるカゼイン・ミセルの構造変化
③ チーズの弾力性の発現
④ チーズの加熱特性の発現

<2日目プログラム>
試食するチーズ
1.ハルミの類似品として、トルコ・バフチュバン社製の「ヘリム・チーズ(Hellim Cheese)」
2.モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナの類似品として、
  国産の「フレッシュ・モッツァレラ」
3.フェタの類似品として、デンマーク・アルラ社製の「アペティナ・ホワイト」

<1日目講義概要>
 地中海沿岸地域には“世界的に有名な3種類のホワイトチーズ(white cheese)”があります。いずれもP.D.O.(原産地名保護)チーズで、キプロスの「ハルミ」、イタリアの「モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ」、ギリシャの「フェタ」です。下記の写真のように外観は非常に良く似た“真っ白なフレッシュチーズ”です。しかし、つくり方によって、組織の弾力性や加熱特性が全く異なるチーズにつくり分けられているのです。
セミナーでは、3種類のチーズの製法の違いが、チーズのテクスチャー(触感・食感)やチーズの加熱特性(融けと伸び)の違いとして発現するメカニズムについて解説します。

<2日目講義概要>
 3種類のチーズを実食し「テクスチャー(触感・食感)の違い」と「加熱特性(融けと伸び)の違い」を体感していただきます。 

第2部
<1日目>チーズのミクロ構造 ~電子顕微鏡で読み解くチーズの物性~
<2日目>カマンベールとスタビライズチーズの食感の比較

●講師

元 雪印メグミルク株式会社 技術研究所 農学博士 木村 利昭

紹介:元 (雪印メグミルク㈱技術研究所 (一財)工業所有権協力センター (一財)材料科学技術振興財団)。食品の微細構造の電子顕微鏡による観察の第一人者。主な著書に「食品・そのミクロの世界-電子顕微鏡による立体写真集-(槇書、1991)「電顕サマースクール 電子顕微鏡の上手な使い方講座「食品」(医学出版センター、1992)」「食品・調理・加工の組織学 (学窓社、1999)」「ミルク&チーズサイエンス~とろけるチーズの秘密~(デーリィマン社、2007)」「現代チーズ学(食品資材研究会、2008)」「新・走査電子顕微鏡(共立出版、2011)」「チーズを科学する (チーズプロフェショナル協会、2016)」などがある。

●詳細

<1日目プログラム>
1.乳からチーズまでのカゼインの形態変化
・カゼインミセルの基本構造とカード形成

2.カゼインミセルのミセル性リン酸カルシウム(MCP)とチーズ物性の関係
・ホエイ排除で除去されるMCP量とチーズ物性の関係
① カマンベール
② スタビライズとカマンの違い  
③ 繊維状チーズの構造形成

3.プロセスチーズの物性と構造
・プロセスチーズの加熱特性
① 熱易融性と耐熱保形性
② 糸引き性

<2日目プログラム>
試食するチーズ
1. 伝統的製法によるカマンベール (イズニ―カマンベール、IsignySainte-Mere社)
2. スタビライズチーズ  (カプリス・デ・デュ、SsvenciaFromage&Dairy社)
3. 国産殺菌カマンベール (雪印北海道100カマンベールチーズ、雪印メグミルク社)

<1日目講義概要>
 カゼインの構造とチーズ物性の関係を電子顕微鏡写真をふんだんに使いながら解説します。まず、乳中のカゼインミセルの基本構造を解説し、チーズカード、ナチュラルチーズ、プロセスチーズへと加工する過程でカゼイン相がどのように変化するかを説明。その間に生じるカゼインとリン酸カルシウムの相互作用で形成されるカゼイン微粒子のネットワークがチーズの物性に大きく影響することを、カマンベール、繊維状チーズを例に解説します。同様に、プロセスチーズではメルト性、保形性および糸引き性について解説します。

<2日目講義概要>
 カマンベールチーズの特徴である滑らかな組織は、その滑らかさがゆえに保形性が悪くなるという弱点も合わせもつ。その弱点を改良したのがスタビライズチーズ。この両者の成分を比較し実食することで、カマンベールの滑らかな組織が発現するメカニズムと組織をコントロールする術も味わっていただきます。
・滑らかな組織をもつのは伝統的製法のイズニ―・カマンベール・ピロ
・保形性をもつスタビライズチーズはカプリス・デ・デュ
・両者の中間的性質をもつのは、国産殺菌タイプの雪印北海道100カマンベール
この3品を実食していただきます。

第3部
1日目:チーズの熟成科学
2日目:チーズの熟成科学を味わう

●講師

東海大学 名誉教授 尚絅大学 非常勤講師/チーズ・乳酸菌研究所 代表 井越 敬司先生

1976年東京教育大学大学院農学研究科(生物化学工学専攻)修士課程修了後、1981年東京大学農学研究科(農芸化学専攻)博士課程修了(農学博士)。以来九州東海大学農学部にて、乳発酵食品(チーズやヨーグルト)に使用される乳酸菌のプロテアーゼ、乳発酵食品(チーズやヨーグルト)のタンパク質分解、食用微生物Penicillium roquefortiのプロテアーゼ、チーズの機能性とその成分に関する研究に従事。2016年に定年退職し、東海大学名誉教授に就任。同年より尚絅大学生活科学部栄養学科 非常勤講師、チーズ・乳酸菌研究所代表。現在に至る。所属学会:日本農芸化学会(西日本支部参与)、日本酪農科学会(監査役員)著書:チーズを科学する(共著:NPO法人チーズプロフェッショナル協会2016年)、現代チーズ学(共著:食資材研究会2008年) 、ミルク&チーズサイエンス(共著:デーリィマン2007年) 、ライフサイエンス系の機器分析(共著:三共出版2006年)

●詳細

<1日目プログラム>
1. はじめに
① チーズ製造の概要
② チーズの主要成分とその特徴   

2. 熟成中の一次風味の形成乳酸菌熟成チーズを中心にー
A:カゼインの分解と一次風味形成
①熟成中のカゼイン分解
②低分子ペプチドとアミノ酸の呈味性
B:乳脂肪分解と一次風味形成
①乳脂肪の分解と脂肪酸
②脂肪酸の風味

3.熟成中の二次風味(匂い)形成
①アミノ酸由来風味成分
②脂肪酸由来風味成分

<2日目プログラム>
試食するチーズ
1.熟成前ゴーダチーズ
2.熟成3ヶ月ゴーダチーズ
3.12ヶ月ゴーダチーズ
4.熟成4ヶ月チェダーチーズ
5.18ヶ月チェダーチーズ

<1日目講義概要>
 ナチュラルチーズは非熟成タイプ(フレッシュチーズ)と熟成タイプに分けられます。後者熟成タイプは熟成を通じてチーズの多様な風味を形成します。本講義では、チーズの風味成分が熟成中どのように生成されるかについて、乳酸菌熟成チーズを中心に基礎的内容も含めて解説します。まずチーズの基本的な製造法について説明します。また、チーズの主要成分であるカゼインおよび脂肪の特徴やその他の成分について概説します。次いで、チーズの風味形成と密接に関係する熟成中のカゼインと脂肪の分解およびその分解に関わる酵素について解説します。さらに、熟成中生成された一次風味成分ペプチドやアミノ酸の呈味性風味および脂肪酸の揮発性風味について説明します。そして、一次風味成分から生成される二次風味成分の特徴とその生成経路について説明し、最後に様々な熟成チーズにおける多様な風味形成におよぼす製造因子について考察します。

<2日目講義概要>
 チーズの風味は、微生物と熟成の絶妙な化学反応から生まれます。本研修後半では、熟成前チーズと数種類の熟成チーズを食べ比べながら、熟成による風味やその他の変化を体感し、熟成とは何かについて考えます。次いで、熟成中の最も大きな変化は風味が増すことですが、風味とは何か、チーズの風味はどのような成分によりもたらされるのかについて解説します。そして、それら成分の生成に乳酸菌や熟成菌がどのように関わっているのかについて説明し、味覚と科学の両面からチーズの魅力を学びます。



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