習得事項:
多くの内部監査研修、及びそれを元に実施した内部監査は、規格にかかれている要求事項を一字一句たどり難解な文章の意味するところの解釈の提供、具体的にはどのような事象をいうのかの例示程度にとどまり、規格にかかれていることはすべて正しく、それに沿えないことはすべてが不適合といったがんじがらめの自由度のない内容であることが多かった。その為、実施回数を重ねても「成果」と呼べるものが出せず、実施する事のみが目的となりやすい。そこで今回は、小売業のプロセスセンターに長く勤め、そこでの食品安全マネジメントシステム内部監査に責任を持つ石井あきこ氏が、本来の目的である食品安全を向上させるため「課題解決型の内部監査」を提案する。特に、外国人従業員が多い、従業員の力量が低い、4M変動が多い、などの課題を多く持つ食品工場に対し、それらの解決の為に必要な視点、ポイントを様々な事例を元に解説する。
講師の言葉:
内部監査を何度実施しても成果と呼べるものが出せない、毎回同じような不適合が出る、組織に食品安全マネジメントシステムに詳しい人が殆どいない、時間が無い、等、内部監査を実施していくうえで多くの課題を抱え、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。私自身も、事務局として長年内部監査を進めてまいりましたが、折角教えた力量者はすぐに転勤する、クレームや事故は減らない、監査自体が表面的で本質を確認できていない、不適合の是正はいつも「教育しました」で終始してしまう、といった事態に頭を抱えている1人です。特に、外国人従業員が多い、人の入れ替わりが激しい、新商品やリニューアル商品が多い、等の4M変動が多い組織は、その傾向が強いと感じます。今回は、そんな状況で奮闘していらっしゃる方々や、これから内部監査に参加して成果を出したいと考えておられる方々に向けて、一般的な「要求事項に沿った内部監査」ではなく、組織の抱える課題を解決する為の内部監査を提案します。事例も多く紹介しますので、皆さんや皆さんの組織に合った内部監査手法を是非見つけてください。